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  • No : 41031
  • 公開日時 : 2019/11/30 17:31
  • 更新日時 : 2025/07/29 17:36
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[共通]定性濾紙と定量濾紙の違いを教えてください

定性濾紙と定量濾紙の違いを教えてください
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回答

定性濾紙は、ある試料にどのような成分が含まれているかを調べる定性分析で使用されます。
定量濾紙は、試料中の成分量を決定する定量分析で使用されます。

濾過して紙に残ったものを分析するため、濾紙ごとそのまま燃焼し、燃焼後に残る物質の重量から定量することもあります。そのため、定量分析に使用される定量濾紙では、灰分(燃焼後に残る物質)が極めて少ないように、繊維の離脱を防ぐ処理が施されています。

※重量測定などの分析には、定性濾紙ではなく定量濾紙をご使用ください。

※定性濾紙と定量濾紙の違いは、上記の通り、ろ紙の製造時の処理と、最終的な灰分含有量の違いにあります。
 ろ過の程度(ろ過速度や粒子保持能)による差ではありません。
 
 
以下、定量濾紙と定性濾紙の特徴のまとめとなります。

【定性濾紙】
純粋なセルロース繊維から作られ、試料中の成分を特定するための分析に使用されます。希HClやHFなどで処理されておらず、灰分の約35%はSiO₂、残りはFe、Al、Mg、Caなどの化合物です。これらの不純物は酸性溶液に溶け込むため、定量用や精密な再結晶用には適しません。

【定量濾紙】
沈殿の重量を正確に測定するために使用され、目が細かく、燃焼後の灰分が少ないのが特徴です。純粋なセルロース繊維から作られた濾紙を塩酸とフッ化水素酸で処理し、灰分(不純物)含有量を約0.01%まで低減しているため、試料中に存在する金属物質量の分析などに利用されています。
 

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