• 文字サイズ変更
  • S
  • M
  • L
  • No : 273659
  • 公開日時 : 2024/01/22 18:26
  • 更新日時 : 2024/04/10 14:39
  • 印刷

[共通]化学防護手袋の使用義務、対応規格について教えてください

労働安全衛生関係法令において規定される
化学防護手袋の使用義務、対応規格について教えてください
カテゴリー : 

回答

【対象物質について】
2024年3月1日現在、厚生労働省より公開されている選定マニュアルをご参照ください。
厚生労働省,2024,「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル 2024年2月版」
2024年3月1日取得,https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001216985.pdf
 
上記マニュアルでは、対象物質とその対応について以下のように分類されています。 
分類 対応
健康障害を起こすおそれのあることが明らかな化学物質等を製造し、又は取り扱う業務に従事する労働者 不浸透性の保護衣、保護手袋、履物又は保護眼鏡等適切な保護具の使用の義務
※2024 年 3 月 31 日までは努力義務
②健康障害を起こすおそれがないことが明らかなもの以外の物質を製造し、又は取り扱う業務に従事する労働者(①の労働者を除く) 保護衣、保護手袋、履物又は保護眼鏡等適切な保護具の使用の努力義務
③健康障害を起こすおそれがないことが明らかなもの 皮膚障害等防止用保護具の着用は不要
(皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル 第2節 表1-1 より抜粋・一部要約)
 
上記①の使用義務物質のリストは、厚生労働省ホームページより確認することができます。
厚生労働省(2023)「皮膚等障害化学物質(労働安全衛生規則第 594 条の2(令和6年4月1日施行))及び特別規則に基づく不浸透性の保護具等の使用義務物質リスト」
 
 
【化学防護手袋について】
<化学防護手袋の選択に当たっての留意事項>
化学防護手袋の選択に当たっては、取扱説明書等に記載された試験化学物質に対する耐透過性クラスを参考として、
作業で使用する化学物質の種類及び当該化学物質の使用時間に応じた耐透過性を有し、作業性の良いものを選ぶこと。
 
<JIS T 8116(化学防護手袋)における定義>
【耐浸透性】
化学防護手袋の耐浸透性は,ピンホール試験(水密性試験)で評価する。
ピンホール試験(水密性試験)はJIS Z 4810で試験し,JIS Z 9015-1に規定する方法によって,
品質許容水準[AQL(acceptable quality level)]で耐浸透性を、クラス1~4(品質許容水準[AQL]0.65~4.0)の4つのクラスに区分する。
発がん物質等、有害性が高い物質を取り扱う際には、クラス1 などAQLが小さい化学防護手袋を選ぶことが望ましい。
 
耐浸透性を示すクラス
性能 クラス 品質許容水準(AQL)(%)
1 0.7
  2 1.5
  3 2.5
4 4.0
(皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル 第2章 第3節 表2-4)
 
【耐劣化性】 ※任意項目
耐劣化性試験を実施したとき、試験した各化学物質に対する物理性能の変化率から、
耐劣化性をクラス1(変化率80%以下)からクラス4(変化率20%以下)の4つのクラスに区分することとしている。
耐劣化性についてはJIS T8116 において任意項目とされているとともに、JIST8116 解説に、
「耐劣化性は、耐透過性、耐浸透性に比べ、短時間使用する場合の性能としての有用性は低い」と記載されている。
 
劣化性能を示すクラス
性能 クラス 変化率(%)
4 ≦20
  3 ≦40
  2 ≦60
1 ≦80
(皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル 第2章 第3節 表2-5)
 
【耐透過性】
化学防護手袋の耐透過性はJIS T 8030で試験し,標準透過速度0.1 μg/cm2/minで測定された
材料及び縫合部の平均標準破過点検出時間を求め,クラス1~6(平均標準破過点検出時間10 分以上~480 分以上)の6つのクラスに区分している。
この試験方法は、ASTM F739 と整合しているので、ASTM 規格適合品も、JIS 適合品と同等に取り扱って差し支えない。
 
透過性能を示すクラス
性能 クラス 平均標準透過点検出時間(min)
6 >480
  5 >240
  4 >120
  3 >60
  2 >30
1 >10
(皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル 第2章 第3節 表2-6)
 
 
[参考文献]
厚生労働省,2024,「皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル 2024年2月版」
厚生労働省,2024,「リーフレット」
 

 
※JIS T8116適合=すべての物質に対する耐性を担保するものではありません。
 使用物質に対する製品ごとの使用可否は、SDSと、作業内容・使用時間をご提示の上個別にお問い合わせください。
関連FAQ
※本ページのリンクは全て2024年3月1日現在の情報です。リンク切れの際はお手数ですが下記アンケートよりお知らせください
 
 
 
 

この内容で解決できましたか?

よろしければご意見等お聞かせください! ※お問い合わせを入力されましてもご返信はいたしかねます