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  • No : 41031
  • 公開日時 : 2019/11/30 17:31
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[共通]定性濾紙と定量濾紙の違いを教えてください

定性濾紙と定量濾紙の違いを教えてください
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回答

定性濾紙は、ある試料にどんな成分が含まれているか
を調べる分析(定性分析)で使用されます。
定量濾紙は、試料中にある成分量を決定するために行う、
化学分析(定量分析)で使用されます。
 
濾過して紙に残ったものを分析するため、濾紙ごとそのまま燃やし、
燃やして残った物質の重量から定量することもあります。
そのため、定量分析に使用される定量濾紙では、
灰分(燃やした後に残る物質)が極めて少ないように
繊維の離脱を防ぐ処理がなされております。
 
※重量測定等の分析には定性濾紙よりも定量濾紙をご使用ください。
 
※定性濾紙と定量濾紙の違いは、上記の通り、
 本来ろ紙の製造時の処理と最終的には灰分含有量の差にあります。
 ろ過の程度(ろ過速度や粒子保持能)による差ではありません。
 
 
 
以下、定量濾紙と定性濾紙の特徴のまとめとなります。
 
【定量濾紙】
沈殿の重量を正確に秤量するためのもので、目が細かく燃やしたときの灰分が少ないです。
純粋なセルロース繊維で作られた濾紙を塩酸とフッ化水素酸で処理し、
灰分(不純物)含有量を0.01%程度の低レベルにしているため、
試料中に存在する金属物質量の分析などに利用されています。

【定性濾紙】
純粋なセルロース繊維で作られ、試料中に存在する物質が何であるかを調べる分析に使われます。
希HCl、HF等で処理しないもので、灰分の約35%はSiO2で、その他はFe、Al、Mg、Caなどの化合物です。
これらの不純物は酸性溶液に溶け込むので定量用、あるいは精密な再結晶用等には適さないです。

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